[初出]2015年4月6日(http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5143632)
[加筆修正・再掲載]2015年10月16日
翌日朝食を終えると、雫石は外出の準備をして居間へ顔を出した。 タブレットに届いた毎朝配信のニュース・データ――要するに電子の朝刊だ――を見ていた燭台切が顔をあげる。 「行ってくるんだね」 「うん。戻りは3時頃かな。お昼は私、外で済ませちゃうけど、大丈夫?」 「食材を使っていい? せっかくだから練習したいな」 「もちろん。もし何か足りなくなったら――」 「商店街に行っても?」 商店街、というのは官舎地区から少し行ったところにあるアーケード街だ。20世紀から発達した大型の商業施設は22世紀の人口減少時代に入ると大都市以外では衰退し、その代わりに顧客のニーズに応えることが得意な個人商店の並ぶ商店街が息を吹き返した。この辺りもそんな地域らしい。 「うん、いいよ。カードの使い方はわかる?」 「大丈夫。無駄遣いもしないから安心して」 頷きつつ、雫石は言う。 「お店のおばちゃんの長話に捕まらないようにね」 「気をつけるよ」 互いに笑いながら手を振って、雫石は玄関に向かった。 「こんにちは」 古本屋街に辿り着くと、雫石はまっすぐ目当ての店に向かい、カウンターで本に目を落としていた店主に話しかけた。 古い本の香り。これがまたいいのだ。雫石は古書店と図書館が一番好きだ。 うず高い本棚とさらにその上に積み重なる本のせいで店は昼なお暗く、埃っぽい。が、ここは宝の山なのだ。デジタル機器の合間で生きる現代人のほとんどには紙くずにしか見えなくても。 「おっ、待ってたよ〜」 雫石の挨拶に中年の男は答えた。店主は立ち上がると、カウンターの後ろの棚からどっさりと本を取り出した。背表紙を持てば一冊で掌いっぱいになってしまうような本が、10冊ほど。 「結局博士論文には間にあわなかったな」 「ううん、いいんです。コピーじゃなくて本でもってて、いつでも開きたいってだけだから」 「そっかぁ、愛だな、愛」 店主の言動はいつも明るい。言いながら店主はレジスター、ではなく電卓をたたきその合計金額をはじき出すと雫石の前に提示した。 「今日一人か。……持ってくの大変だろう。郵送にしとくか?」 雫石はじっと電卓に現れた数字を見つめる。 「……店長、このうち5冊くらい次の給料日まで待ってもらっていい? 残りは持ち帰ります」 「ん? ああ、いいけど……どした、金ないのか」 「そうじゃなくて、ちょっとね」 「なんだー気になるじゃねぇか」 と言いつつ、店主はどれ持って帰るんだ? と雫石に聞き、雫石が本を選別すると計算しなおしてくれた。 雫石はすぐに読みたい本だけを抱えて店を後にし、数件他の店を見て回った。その後、近くの喫茶店で腹ごしらえをするとポッド――ではなく電車に乗って数駅先にある店を目指した。 地下にある駅から地上に出れば、眼前に目当ての店舗がある――見上げるほどのビルはそんじょそこらの店と格の違いを見せつけるような外装を纏っている。未だに残る高級百貨店というやつだ。 「こんなとこ……母の日と父の日以外にスーツ作りに来ただけだなぁ……」 なにやら言いながら雫石は入口をくぐる。石の床はツルツルとしていて傷は見えない。落ち着いた内装に清浄な空気――先ほどまでの古本屋街とは全く異なる場所だ。 一階の高級化粧品売り場を抜け、目指すは上階の『LIVING & GIFT』と銘打たれている売り場だ。途中、エスカレーターから見えるバッグ売り場などに心惹かれつつも自分を律して上を目指す。 辿り着いたのは7階だ。エスカレーターの横合いの柱にあるフロアガイドを見て位置を把握し、他には目もくれずにそこへ向かう。 辿り着いた売り場には『キッチン用品』とある。 「ある、かなぁ……」 言いながら棚の間を歩く。棚には見たこともないほどピカピカに磨かれた食器や調理器具が並んでいる。配置は計算しつくされ、商品には乱れはない。一つの値段もなかなかだ。 「あ」 その棚の中のひとつで雫石は立ち止る。 棚の商品は銀に光輝いている。 そのキャプションをひとつひとつ読み、雫石は目当てのものを探す―― 「お客様」 三分ほどそうしていただろうか。不意に背中に声をかけられた。振り返ると、折り目正しく制服を着た店員が一人。にこにこと笑ってそこにいた。 いつもの雫石なら「しまった、間合いをとられた」と思うところだが、今日は違った。 「なにかお探しですか?」 渡りに船、とばかりに彼女は言った。 「はい、探しているものがありまして――」 ――何冊かは再来月まで預かってもらうことになるかも。 買い物を終えてポッドを呼び、左手に古本、右手に百貨店の袋をさげややふらつきながらそれを下りる。しっかりと――特に古本が入っている方を――持ち直し、玄関を目指す。移築された古い屋敷は庭の広さもその設計と配置もそのままらしく、意外と門から――これもまた移築されたものだ――玄関まで遠いのだ。 実はご丁寧に屋敷にまつわる神――屋敷神、と民俗学では呼び習わされる神だ――も一緒に移されていて、日本庭園の端の端にはその神のための小さな鎮守の杜とそこに鎮座する小さな社があるのだからまったく文化のためとはいえ徹底した移築である。 辿り着いた玄関の引き戸をなんとか、からり、と開けて、中へ叫ぶ。 「ただいまー!」 少しの間のあと、台所から声が返ってくる。 「おかえり!」 声に遅れて姿を現したのは燭台切だ。上がり框に荷物を置きつつ、そういえば帰宅して「おかえり」と迎えられるのは随分久しぶりだと雫石は気づいた。 荷物から目を離して燭台切にふたたび目を合わせれば、彼はジャケットもベストも取り去った格好をしていた。昨晩と違うのは、ネクタイがひょいと肩に乗っていることだろうか。 手袋もなく、袖はまくりあげられ鍛えられた腕が惜しげもなく晒されていた。 「何か作ってたの?」 「帰ってくるの八つ時だって言ってたからね。ガレット作ってみたんだ。紅茶も淹れるから、荷物片付けたら食堂に来てくれる?」 うきうきという燭台切に雫石は 「ガレット」 と呟き、少々ガクゼンとした。 確かに洋食作りたいとは言っていたが、昨日今日のこの進化はどういうことだ。早すぎる。 それじゃあ荷物を部屋に置いてきてね、という燭台切は足取り軽く去っていった。雫石は古本とコートを部屋に一旦置くと、百貨店の袋を持って食堂に向かった。 近づくにつれ香ばしい香り! 食堂に辿り着けば、すでに食器はすべて用意されていた。席に着きつつカップを手に取れば、温かい。確かにカップを温めるのは紅茶のマナーである。 ――どこで知った、その作法。 と思うものの、茶道の興隆史を思えば燭台切がそのような作法を調べていても不思議ではない……のかもしれない。 そのカップを戻せば、いつの間にか後ろに控えていた燭台切がポットから紅茶を注いでくれた。あざやかな紅い色水はきらきらと光を散らしている。振り返れば、ネクタイは元に戻したもののジャケットとベストは着ていない燭台切がいた。 「ありがとう」 「どういたしまして。お砂糖は?」 「もらいます」 言えばすっとブラウンシュガーと白砂糖が差し出される。ブラウンシュガーをつまみつつ ――あったけ、こんなの。 と角砂糖たちに想いを馳せる。 そんなこんなしているうちに、燭台切が向かいの席に着いた。 皿の上には、ほこほこと温かさを香りとともに人へ伝える料理。 四角く折りたたまれた茶色の生地の中に、半熟の目玉焼きとハムとチーズが顔をのぞかせている。 「わあ……」 「おやつってわりにはご飯っぽくなっちゃったかな。生地は一時間とすこし寝かせてみたよ」 「……すごいね」 この男、つい先日まで人間ですらなかったはずなのだが、と雫石はちょっと引いた。 ――たぶんすでに私、追いこされている、女子力。 自分に危機感を感じつつ、雫石は手を合わせた。 「いただきます」 フォークとナイフを取り上げ、端を少し切り取り、持ちあげる。生地に少し遅れてチーズがついてくる。 口に運べば、ふわり、と優しい味が広がった。 「……、美味しい」 「よかった」 「半熟卵好きだし、嬉しい」 食べずにやや緊張した面持ちで雫石を見守っていた燭台切が笑う。それから自分もいただきます、と手を合わせて一口口に運ぶ。 「うん……もうすこし生地は寝かせた方が良かったかな」 「……自分に厳しいね」 十分美味しいよ、と言うと燭台切は苦笑した。 食事の間、わりあい会話は少ないが、居心地は悪くはない。もともと雫石は食事の間しゃべるのが苦手であるし、燭台切も食事に集中したいタイプのようだった。 ひとしきり――皿に落ちた卵の黄身をそば粉の生地でこっそりと拭って食べ――ガレットを食べ終えてしまうと、雫石は紅茶を口に運んだ。 それからちらり、とカップ越しに近侍の様子をうかがう。 「あの、燭台切」 あちらも大方食べ終えたところで雫石は切りだすことにした。 「うん?」 「渡したいものがあるの」 言いながら、足元に置いておいた百貨店の袋から中身をひとつ、取り上げる。 「はい」 「――僕に?」 「うん、開けてみて」 受け取りつつも、燭台切はとまどったようだった。なにせ、贈られたものをその場で開くというのは、だいぶ後になってから輸入された文化だ。 それでも主の様子を察して、丁寧に包装を解く。すると、桐の箱があらわれた。その蓋も丁寧に開けて 「……」 燭台切は心底驚いたという顔をした。 「――いいの? もらっても」 「うん、あなた専用。私はセラミックとステンレスで十分な腕しかないし」 桐の箱におさまっていたのは、三徳包丁――あるいは万能包丁とか文化包丁とか言われる一般的な形の――包丁だった。 平にはなにやら、銘らしきものがきってある。 「長船派自体は天正年間の災害の影響とかで途絶えちゃったみたいだけど、あなたの故郷はまだ鍛冶職人がいるみたいで――そこの包丁なの」 燭台切は説明を聞きつつ自分の前の食器を脇へ片付けると、桐の箱をそこへ置いて、包丁を取り上げた。そして、包丁を動かしてあちこちからそれを見つめる。銀の光が食堂のあちこちに飛ぶ。光は時に、二人の顔にも触れた。 「……うん、あの土地の気配がする――」 言ってそっと銘のあたりを撫でると、燭台切は顔をあげた。 「気配だけ、だけど――思い出すとは」 「……懐かしい?」 「どうかな。……僕が僕として目覚めたのは九十九を経てからだろうから。気配は知っていても、懐かしいという感覚は……わからない、かな」 「そう……」 その時にはもはや、彼は長船の地から遠い場所にあったのだろうか。信長以前の彼の来歴は知られていない。 「でも、嬉しいよ。ありがとう」 「よかった」 笑う燭台切に雫石はほっとする。 ――高かったんだから、とーっても。 とは胸の中でだけ言う。彼女は現代では高級品になるこの包丁をもとめて百貨店に行ったのだ。 「大切に使えばあなたみたいな付喪神に会えるかな?」 「さあ――どうだろう。包丁は刀と違って酷使されがちだからね。……でも、会えたら嬉しいね」 燭台切は愛おしそうにまた目を包丁に向ける。その顔を見て、雫石も嬉しくなった。 「それと、ね」 言いながら雫石はまた紙袋に手を差し入れた。燭台切はその間に慎重に桐箱に包丁を戻していた。 「これも」 差し出したのは桐の箱とは異なる柔らかな包みだった。燭台切はさきほどの通り――すこし違うのはリボンがついていたことだが――包装を開ける。 あらわれたのは、黒い布が二つ。 長いものと、短いもの。 「それね、エプロン。まだなかったでしょ?」 「エプロン?」 「前掛け。ちょっと洋風、かな」 燭台切は二つのうち一つを広げた。あらわれたのはスッキリとしたシルエットの胸当てのあるエプロンだ。雫石はもう一方へ手を伸ばし、それを取り上げて拡げた。 「それからこっちはギャルソン風。どっちが好きかわからなかったから、二つ」 もう一つは腰に巻きつけるタイプだ。 先日からこれまで、燭台切は調理中の格好には気をつけているようだが体に合うエプロンめいたものはなく、そのようなものは身につけてはいなかったのだ。 燭台切は二つをしきりに見比べている。雫石はギャルソン風のものを示して言った。 「付けてみる?」 「――うん」 返事を受けて雫石は立ち上がり、近侍の傍らに移動した。燭台切も察して立ち上がるが――彼女が背中側に移動したのを見て次の行動を察し、ぎょっとしたように言う。 「主がそんなことしちゃだめだよ!」 易々と膝をついた主に手を差し出し、彼は彼女を立たせようとする。が、雫石はそれを無視して燭台切に背中を向けさせるようにした。 「最初だけだから。こっちはネクタイと合わせても素敵なの」 言いながら雫石はさっと彼に布を当ててしまう。それからひょいと移動して、前で紐を止めて見せる。 「前で止めるといいんだよ」 綺麗にリボンの形を作ると満足して雫石は立ち上がり、一歩離れた。 Yシャツにネクタイ、それにギャルソンエプロン。いかにもできるウェイターという感じだ。 ――ベストはあってもいいかも、と雫石は思う。 燭台切はそんな自分の姿を見下ろす。 「――あとで鏡見てみて。かっこいいから」 雫石は胸をそらしてそう言った。彼の顔立ちとこの姿なら、カフェにいれば女子は放っておかないという感じなのだ。見立て通りの出来栄えに満足する。 だが、燭台切は戸惑っているようだった。 「……気に入らない?」 「いや! そうじゃなくて。……なんだか申し訳ない」 その言葉に、雫石はキョトンとした。 「どうして?」 「僕、まだ何の役にも立っていないし……それに君は主で、僕は――」 雫石はその言葉に面くらい、そして苦笑した。 「役に立ってないのは私もだと思うけど――むしろまだ訓練ではあなたの足引っ張ってるし。それに」 雫石は燭台切の顔を見上げた。 「これからもいっぱいお世話になるし。というか、美味しいご飯はもう作ってもらっちゃってるし。だから、お礼、みたいな。だめかな?」 燭台切は戸惑った顔のまましばらく雫石を見下ろしていた。が、しばらくすると、その顔に満面の笑みが拡がる。優しい灯りの色をした左目がきらきらと輝く。 雫石がそのあまりの変化に目を見開いている隙に、彼はひょい、と彼女の腰を掴んで持ち上げた。 「わっ」 雫石が思わず燭台切の肩に手を置くと、彼はまた笑う。 案外たくましいその肩を掴んだままでいいものか、と彼女は一瞬思う。 その戸惑いの間に、くるり、と燭台切はその場で一回転してみせる。雫石の髪がゆるりとゆれて、その回転に少し遅れてついて来た。彼女は思わず彼の方を掴む手に力を込めてしまった。 「え、っと」 「ごめん、目が回った?」 「す、すこし」 突然くるりと中空で回されて、目が少し迷っていることを素直に言えば燭台切はまた楽しそうに回る。 「お、おろして」 予想だにしない彼の動きと行動に驚いて言えば、ごめんごめんと声が耳に届く。 「……高い高いなんて久しぶり……」 「あはは。ごめんね。嬉しくて、つい」 トン、と主を下ろして――そう、先ほど彼女のことを主だと言ったのに、まるで子どもにするようなことを彼はしたのだ――燭台切は言う。 びっくりした、と言う主の髪へ彼は手を伸ばす。素手の手が髪に触れた。 ちかい、と雫石は思った。 「ありがとう、ほんとに――嬉しいな」 顔は相変わらず微笑んで、なによりも嬉しいという感情を彼女に惜しげもなくさらしている。 「――君が主で、僕は幸せ者だよ」 髪を撫でられて、とどめとばかりにそう言われてついに雫石は年甲斐もなく赤面してしまった。赤面したのは、恥ずかしいのと予想外に、いや予想以上に喜ばれて嬉しいのとの二つだった。割合はどちらが多いのかはさっぱりわからなかった。ともかく彼の笑顔がまぶしい。そして先ほど触れられた腰のあたりが不快ではないのだが、ざわざわした。 一方で歳だけ取った頭の冷静な部分は ――イケメンだから笑顔の破壊力すごいなぁ。 などと考えていた。 その夜。包丁を仕舞い部屋へ戻ると燭台切はため息をついた。 「まずいな。悟朗ちゃんには暴走するなよと言われたけど、昼間は思わず」 貰ったエプロンを丁寧に畳みながら一人ごちる。 それから両の掌を見下ろす。 「腰、細かったな……折れるかと」 女性(にょしょう)の体が男とは異なることは知っていたが、予想外に細くまろやかだ。髪もひどく柔らかい。 「あんなに細いのに、訓練に耐えてるのか……」 昨日触れた汗に濡れた額を思い出す。相当な負担だろうと思う。 「……あと五振、増えたら少し楽になるかな……」 そうだろうか? 六振揃えば本格的な戦闘になる。そして彼女は六振それぞれに注意を払わなければならなくなる。 「……頼りがいがあるのが来てくれるといいけど」 そういえば、貞ちゃんは今どこにいるんだろう、と燭台切は伊達での古馴染みを思い出してため息をついた。 ――悟朗ちゃんがいい子連れて来てくれればいいけど、どうだろうなぁ。 『文化庁からお仕事いただいたついでに官舎ぐらしになりましたー』 一方の雫石は、タブレットで友人たちに知らせ忘れていた近況を伝えていた。 21世紀以降発達した仮想空間の対話スペースは未だに重宝されているのだ。そこへ文字を落とす。 それはとうの昔に社会人となった友人たちとの対話スペースに残すメッセージだ。彼女らは、雫石が一般的な人生から外れて研究者への道を進んだ時、誇らしそうにしてくれたと同時に心配もしてくれたのだ。 博士論文できました、という報せには祝いと共に 『じゃあ次は仕事だね!』 という至極まっとうなメッセージが届いたものだ。 「官舎ぐらし……」 落としたメッセージを見下ろしてふと雫石は思う。誰か来たいと言うだろうか? そうしたら、どうしよう。燭台切のことは何と説明しろというのか。 「……シェアハウス、かな」 まだ必要とされていない言い訳を考えて、ふと、雫石は文字パッドの上で指を動かし新しいメッセージを入力してしまった。 『ところで、なんか恋人に貢いじゃう人の気持ちがわかったような気持ちがします、です』 昼間の燭台切の喜びようと、自分の中に湧いた不思議な喜びについて誰かに聞いてもらいたくて、なにげなくそのメッセージを落としたのだが。 翌朝には、あらゆる意味で対話スペースは荒れており、三日後『雫石の目を覚まさせる会』なる女子会が緊急招集されたのであった。 (了)
[初出]2015年4月6日(http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5143632)
[加筆修正・再掲載]2015年10月16日